「すばらしい新世界」を読みました

なんのきっかけで手に取ったのか忘れましたが、ディストピア小説「すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)」を読みました。SF映画は結構好きなんですが、こういう小説はあまり読んだ記憶がありません。

哲学、科学、宗教、政治思想などをテーマにしているので普通の小説とは趣が違いますが、娯楽的な小説とは別の種類の面白さがありました。驚くべきは出版されたのが1932年で、80年以上も前に書かれた絶望的な未来の話なのに、全然古さを感じさせないところ。人間の普遍的なテーマを突いていると同時に、科学に関しても話の中に一切コンピュータが出てこないところを除けば、ある程度のリアルさを保っていて自然に読めました。ついでに言うと全体主義的体制とそれに対する隷従と自由という点では、香港と中国という体制の間でモメにモメている現在の香港に重なる部分もあったりしました。

ユートピア、ディストピア小説には他にも色々と名作と呼ばれる作品がありますが、今まで全然読んでこなかった分野だったので、有名どころから読んでみようと思いました。

転職の理由

学生時代からの友人の転職の話。新卒で東証一部上場の日系企業に入ってから今年の4月で10年プレイヤーとなった彼ですが、ついに転職を決意して、英語も堪能なのでいくつか外資企業で面接を受けて良い感触を得ているそうです。今回ソフトウェア関係の会社やサービスを手掛ける部署を受けているということで、ちょっと話をしました。転職活動自体はポジティブな話で良かったんですが、そもそもなぜ転職を決意するに至ったかというところで、聞いた話がちょっとショッキングでした。

日系企業らしく会社主導の転勤はよくあることで、彼は入社して以来、東京から地方、地方から東京、そしてこの春にまた東京から地方と3回目の転勤があったところでした。実はその転勤の前に家族の事情で東京に残りたいと会社に訴えたんですが、会社は即座に却下。その瞬間に10年勤めた会社への忠誠心は砕け散ったそうで、まぁ無理もないなと思いましたし、会社は家族の事情を面倒見てくれるわけではないので、それなら転職というのは普通だと思います。

うちの会社でも最近わたしの前上司だった人が同じような事情で香港からイギリスに異動になりました。もちろん会社に利益をもたらす引き止めたい人材であるというのは前提ですが、そういう人材はちょっとぐらい特別扱いしてでも融通を利かすという決断が出来る企業でなければ、これだけ転職が容易な時代に有能な人材は集められないと思います。多くの規模の大きい日系企業ではきっと誰もそういう決断が出来ないので、転職して外に出ていける人は遅かれ早かれ出ていってしまうと思います。

ビーチは楽しい

久しぶりに香港で家族と週末を過ごしました。プロテスターもビーチにはないだろうということで、朝からレパルスベイに行ってきました。午前中はそこまで暑くなくて、快適でした。去年は娘はまだ海は怖がって入れなかったんですが、今年はちょろっと浮き輪で海に入れました。あとは砂遊びをして午前中を過ごし、暑くなってきたところで着替えて帰宅。午後はプロテストもあるし暑いので外には出ず、室内で遊んでました。

さくっとビーチに行って帰ってこれるのは香港の素晴らしいところ。来週末は行ったことのない公共プールを開拓しようと思います。夏はとにかく暑いですが娘は外で遊びたがるので、週末はビーチとプールでやり過ごそうと思います。

妻と娘が帰ってきた

長めの夏休みを終えて、妻と娘がやっと香港に帰ってきました。昨日一緒に帰ってきたまさにその朝にプロテストとストライキで交通が麻痺していたのは焦りましたが、時間が早かったこともあり運良く混雑を避けられて無事に戻れました。また忙しい日々が始まりましたが、やっぱり仕事を終えて家に帰ると家族がいて賑やかなのは良いものです。

娘は深センの妻の実家にいると祖父母や叔父叔母や犬や猫がいて遊ぶ相手に困らないため、わたしにあまり構ってくれなかったのですが、香港に戻ったら態度が急変して、遊んで本読んでとねだってきたのが面白く、かわいかったです。妻と家族の助けもあって夏休みで充電完了したので、また仕事と家庭とフル稼働していきます。

映画「ライオンキング」見ました

有給消化して映画館で映画シリーズ。今回はディズニーの「ライオンキング」を見ました。感想としては、確かに映像はすごく綺麗で凄いんですが、まぁ基本的にそれだけ。キャラクターはイマイチだし、ストーリーにひねりがなく、いつものように色々ありつつ悪いやつを懲らしめて終了。ミュージカル部分も歌って踊ってるのが動物なせいか、ちょっとイマイチ。美しくてリアルな映像を作るのに力を使い果たしてしまった感じがしました。同じ最近のディズニー映画としてはアラジンのほうが笑えるし、ちょっとひねりもあるし、ジニーや悪役のキャラも立っていて好きでした。

娘の成長

夏休みで義理の妹が連れて深センに里帰りしていて、先日北京に帰っていったんですが、その見送りに空港まで行ったときの話。娘のいとこにあたる息子(2歳)を連れてきていたので、2週間ほどの滞在のあいだよく一緒に遊んでいてとても仲良くなっていたんですが、空港での別れに娘が号泣してました。わたしはその場にいなかったんですがビデオが送られてきて、このあいだ生まれたと思ったらもう別れを惜しむようになるなんて、いつの間にかどんどん人間らしくなっていきます。なんというか、とにかく可愛いです。

「物語シンガポールの歴史」を読みました

学生時代に司馬遼太郎にハマったり昔から歴史はけっこう好きな方だったんですが、最近その趣味がぶりかえして世界の色んな国に関する本を読むことがマイブームです。たまたま手にとった物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年 (中公新書)を読んだら、ムチャクチャ面白かったです。

小さな都市国家で香港と似たような感じの国というなんとなくのイメージしかなかったシンガポールの歴史を読むと、イギリスをベースにしているという共通点はあるものの、これだけ人工的で1人の人間の思想が反映された国というのは世界でも異例で、シンガポールだけじゃなんじゃないかという気がしてきます。「国を人工的にゼロから作る」という設定のSFを読んでるような気持ちになりました。

そもそも人がほとんど住んでいないジャングルだったところから始まり今のアジアトップの経済状況にまで至ったのはものすごいことですが、それを支える政治や教育などのシステムがまた特殊で面白く、香港もシンガポールを非常に意識して色々な施策をしているそうですが、シンガポールの体制は特殊すぎてマネ出来るものじゃないなと思いました。

妻と娘が帰ってこない

香港でのプロテストやら暴力行為がメディアに報道され、他の国・地域に住む友人や家族から心配されて色々メッセージをもらったりしてるんですが、その煽りを受けて夏休みで深センの実家にいる妻と娘が全然香港に帰ってきません。もともとの予定は今週末に久しぶりに香港に戻ってくる予定だったのですが、もうちょっと様子を見ようと。

香港に暮らす大部分の人は問題なく生活を送れているんですが、外からメディアだけを見ていると心配になるのは分かります。今住んでいる場所がよくデモで使われるビクトリア・パーク付近ということもあり、小さい娘もいるし、万が一ということもあるのでそれはそれでいいんですが、そういうことでわたしはまた今週末も深センで過ごすことになりそうです。

システムが気に食わないなら

このところ日本では参院選があったり、香港では逃亡犯条例のデモや揉め事があったり、政治絡みの話題が多いです。香港で暮らす日本人としては日本、香港どちらの政治にも思うところはあるし、どちらの国・地域も出来る限り暮らしやすい場所であってほしいと願う気持ちはあります。

日本に関して言うと、香港の人たちが切実に要求している民主主義体制があり、投票することで意思を表明出来るのは良いことであるのは間違いない。ただ、投票出来ればそれで社会がよくなるわけではなく、世の中には民主主義体制があっても社会的にうまくいっていない国なんて山ほどあるし、その逆もしかりです。政治体制というのはあくまでシステムであり、そこには常にそれを使う人がいて、常に変化していく環境があります。システムを人や環境に合わせてタイムリーに最適な形に変えられればベストなんでしょうが、そう簡単に変更出来ないのが民主主義というシステムの難しいところです。今社会経済的に比較的うまくいっている国や体制というのは、例えばシンガポールみたいにシステム自体が新しかったり、システムを比較的簡単に変えられたりする国なのかなと思っています。

いち小市民の立場として、自分のいるシステムが気に食わないとしたら、取れる対策は2つ。デモに参加したり投票したりして社会がよくなるのを期待するのが1つ。そして、どのシステムの1部になるか選択することがもう1つ。自分が生まれた国ではないシステムの1部になるということはつまり他の国に移住したり、永住権を取るということ。そしてそれを可能にするのは、その国の人と結婚する以外には、基本的にはその国に「来てほしい」と思われることです。シンガポール含む色んな国でスキル、お金(給料や資産)、年齢、教育水準といった項目が、移住者を受け入れる基準として使われています。わたしは日本を離れてから投票してないですが、どちらも同時に出来ることなので、システムが気に食わない人は両方やってみたらいいんじゃないかと思います。

香港がヤバイ

デモが長く続いてるなーと思っていたら、今度は謎の白服の集団が元朗のMTR駅にて無差別に暴力を振るうという事件が。中国政府やそれに近い人が雇った黒社会(いわゆるヤクザ)の集団だとか色々噂は立っていますが、真相は分かりません。暴力なしの平和なデモとして始まったはずが、完全に泥沼化しています。

香港外の家族や友人が心配して大丈夫かと連絡が来たり、さらには黒(デモ隊)と白(暴徒)の服を着て外に出るなと言われたり。今のところ家と職場周辺は影響ないですが、元朗の件は基本的にテロなのでいつどこでまた発生するか分かったもんじゃありません。治安の良い香港が失われるのが悲しい限りです。妻と娘はしばらく深センにいるので大丈夫ですが、いつ香港に戻れるやら。母親は特に心配するので難しいところです。

At least 45 injured as rod-wielding mob dressed in white rampages through Yuen Long MTR station, beating screaming protesters | South China Morning Post