わたしは学生時代から紙の本が好きだったのですが、香港・中国に住んでた期間にやむを得ず電子書籍のみに。読みたい本がKindle版がないと手に入らないので悔しい思いをしてたのですが、もう電子書籍に縛られることもなく、むしろ本棚に置いておきたいような本は紙を復活させようかなと思っています。
それはともかく、久しぶりに面白い本を読んだのでレビュー。
22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる
最近メディアを騒がせているイエール大学助教授の成田悠輔の本です。この人はとにかく忖度ゼロな発言ばかりして面白く、YouTubeとかに出てくるとつい見てしまって気になっていたので本も手に取ってみました。
データの専門家らしく選挙というものを分析して
「民意というインプットを政策というアウトプットに変換するシステムが選挙」
であり、その変換システムが全く機能していないという部分で昔からぼんやりと選挙に対して抱いていたモヤモヤが晴れた気がしました。色んな問題に対して自分の意向を代表してくれそうな政党がなくて「選挙に行っても投票したい先がない」というのはまさしく構造的な問題で、それをアップデートする案が書かれています。
案の部分については書きませんが一つ読んでいて驚いたのが、この案の一つとして民主主義から脱出して小さな独立国家みたいなものを作ろうとする富裕層を紹介していた部分。こういう富裕層をかなり痛烈に批判していて、そういう熱さ・民主主義への想いみたいなものはメディアで見ていても感じなかったので、本性が垣間見えたような気がしました。