「すばらしい新世界」を読みました

なんのきっかけで手に取ったのか忘れましたが、ディストピア小説「すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)」を読みました。SF映画は結構好きなんですが、こういう小説はあまり読んだ記憶がありません。

哲学、科学、宗教、政治思想などをテーマにしているので普通の小説とは趣が違いますが、娯楽的な小説とは別の種類の面白さがありました。驚くべきは出版されたのが1932年で、80年以上も前に書かれた絶望的な未来の話なのに、全然古さを感じさせないところ。人間の普遍的なテーマを突いていると同時に、科学に関しても話の中に一切コンピュータが出てこないところを除けば、ある程度のリアルさを保っていて自然に読めました。ついでに言うと全体主義的体制とそれに対する隷従と自由という点では、香港と中国という体制の間でモメにモメている現在の香港に重なる部分もあったりしました。

ユートピア、ディストピア小説には他にも色々と名作と呼ばれる作品がありますが、今まで全然読んでこなかった分野だったので、有名どころから読んでみようと思いました。

「物語シンガポールの歴史」を読みました

学生時代に司馬遼太郎にハマったり昔から歴史はけっこう好きな方だったんですが、最近その趣味がぶりかえして世界の色んな国に関する本を読むことがマイブームです。たまたま手にとった物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年 (中公新書)を読んだら、ムチャクチャ面白かったです。

小さな都市国家で香港と似たような感じの国というなんとなくのイメージしかなかったシンガポールの歴史を読むと、イギリスをベースにしているという共通点はあるものの、これだけ人工的で1人の人間の思想が反映された国というのは世界でも異例で、シンガポールだけじゃなんじゃないかという気がしてきます。「国を人工的にゼロから作る」という設定のSFを読んでるような気持ちになりました。

そもそも人がほとんど住んでいないジャングルだったところから始まり今のアジアトップの経済状況にまで至ったのはものすごいことですが、それを支える政治や教育などのシステムがまた特殊で面白く、香港もシンガポールを非常に意識して色々な施策をしているそうですが、シンガポールの体制は特殊すぎてマネ出来るものじゃないなと思いました。

「苦しかったときの話をしようか」読みました

敏腕マーケターの著者が就活を控える娘のために書いた、キャリアに関するアドバイスを書いた「苦しかったときの話をしようか」という本を読みました。タイトルと内容が直感的に結びつかないですが、特に若い人にとってはとても役立つ内容だと思います。自分も就活していたときのことを思い出しながら読んでました。自分のなかに軸を持つこと、強みを自覚することは感覚的にはやってたと思いますが、しっかり言語されていて頭にスッと入ってきます。自分の娘が大きくなったら読ませたい本を発見出来ました。

で、やはり一番印象に残ったのはタイトルにもある「苦しかったときの話」。P&GのUS本社時代の話なんですが、はっきり言ってかなり壮絶です。これがグローバル企業の本社の社内政治と人間関係かと思うと、悲しいというか何というか、こんなことがあったら自分だったら絶対に簡単に折れて諦める自信があります。あとはP&G日本時代に直面した「後ろ向きの仕事」の話。自分も極小のスケールながら「このビジネスは成功しないな」と頭の片隅で思いながら仕事をしていた時期がありましたが、これは管理職でなくてもキツイものです。ビジネスの責任を負う管理職で、うまくいくと信じられない仕事を部下にやらせなければいけないというのはさらにキツイと思います。

自分としては社内政治とか言葉を聞くのもイヤだし、後ろ向きの仕事もイヤだし、やっぱり今の職場のような規模の小さい、風通しの良い組織で自分が価値を信じられるビジネスをやりたいようにやれるのが一番性に合っていると思いました。それでもたまーに後ろ向きの仕事が来ることもあるんですが、それは本書にも書かれている通りサラリーマンである限り避けられない運命なのだと思います。

ヒルビリー・エレジーを読みました

前職で上司だった方がブログでオススメしていた本を読んでみました。タイトルの通り「繁栄から取り残された白人」の労働者層から抜け出してイエール大学を出て弁護士になった人の話で、その紆余曲折ぶりがとにかく面白く、先が気になって一気に読んでしまいました。

ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

わたしの地元は埼玉県の住宅地で地元の公立の中学校に通っていたんですが、20歳のときに成人式で再会した4-50人の集まりの中で大学に行ったのは自分含めて数人しかおらず、男はほとんど肉体労働してたことを思い出しました。自分の場合は父親は大学を出て国家資格で稼いでいたし、兄たちも勉強して大学行くのが当たり前という環境でしたが、今振り返ると当時の家の外の環境そうではなかったんだなーと思いました。わたしも当時はけっこうヤンチャな友達と付き合っていたので、親はひそかに心配していたんじゃないかと思います。

本の中でも書かれてますが、こういう環境から抜け出すのに必要なのは能力うんぬんよりも、安心できる場所とか近いところにロールモデルがいるかどうかというのが大事な要素になる気がします。あと著者の場合は海兵隊でしたが、キツいことを手を抜かないで全力でやることや、新しい環境に飛び込んで違う視点を得ることは前に進む力に繋がると思います。著者とはレベルはだいぶ違いますが、自分の場合は中学生のときの運動部の練習とか大学生のときにイギリス留学で初めて海外に出た自分の経験を重ねながら読んでいました。

「オリンピック恐慌」読了

タイトルはちょっと煽り気味ですが、中身は現実的な感じで良書でした。日本の財政や年金の部分などは切実で、わたしのように海外在住者が今後の身の振り方を考えるにしても、今から4-5年の間に日本でどういう動きがあるかは行動に影響を与えると思います。

オリンピック恐慌 (幻冬舎新書)

でも個人的には日本は歴史的にも状況を常に改善していくというよりも、本の中で懸念されているような事がさらに顕在化してもうダメだという危機的な状況に置かれてはじめて、一気に過去をひっくり返すということを繰り返しているので、もっと危機的状況になってからが勝負というか、そうならないと何も動かないと思っています。

「ファクトフルネス」を読みました

ビル・ゲイツがイチオシしてる本ということで目についたので読んでみましたが、素晴らしい本でした。世界レベルの大きな問題意識で書かれた本なので、何だか小さいことで悩んでいる自分がしょうもなく思えるし、同時に考え方時代は個人の小さな、しょうもない問題にも適応できそうです。データにまつわる仕事をしているくせに、本に出てくる罠によくハマる自分にも気づきました。妻のために中国語版を買いに行こうと思います。

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

全ての夫婦とカップルにオススメの本

ジョン・グレイ博士の本を続けて2冊読みました。1冊目の英文タイトルは「男は火星から、女は金星からやってきた」。男と女の違いについての本で、1992年に書かれたベストセラーです。普段の妻とのやりとりで何となく感じていたことが、明文化された感じでものすごくスッキリしました。わたしたち夫婦はおそらく比較的男と女の対比が分かりやすい方だと思いますが、その一方で世の中これだけ色々な人がいるのに、男と女という2つだけに分けて全て説明するのは無理がある部分もあるとも感じました。

 

で、今年続編として出版されたのが2冊目。英文タイトルは「火星と金星の向こう」。まさに1冊目のツッコミどころである、男の女性らしさや女の男らしさについて詳しく掘り下げています。特に面白いのが、男女平等が進んだ国としてノルウェーやスウェーデンの例を取り上げているんですが、これがそっくりそのまま香港にも当てはまるところ。
一人になりたい男、話を聞いてほしい女
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家事をヘルパーにアウトソースして夫婦共働きがスタンダードな香港でも、男が男らしさを女が女らしさを表現する機会が減っています。「香港の男はナヨナヨして男らしくない」とか「香港の女は女らしさのカケラもない」というイメージがありますが、この社会のあり方と本の内容でほぼ説明された感じがしました。香港と日本の対比を考えながら読むと、さらに面白いです。世の中の全ての夫婦やカップルが読むべき本だと思います。

「ソフィ-の世界」読了

「ソフィーの世界」上下巻を一気に読みました。哲学史という何ともとっつきがたいトピックにも関わらず、ストーリーに引き込まれてどんどん読み進められたのは、本当に著者がスゴイとしか言いようがありません。ストーリーもそうですが、哲学の歴史や内容にも妻が大学で学んでいる内容と関連があって出てきたりして、とにかく面白かったです。できればもっと若いときに読みたかったし、娘が大きくなったら読ませたいと思いました。


新装版 ソフィーの世界 上 ―哲学者からの不思議な手紙
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アグネス・チャンの教育本を読んでみた

妻が中国語版を読んでいたので、わたしもAmazonでぽちっとKindle版を購入して読んでみました。歌手としてのアグネス・チャンは全く知らないですが、息子3人ともスタンフォード大学に入学したということで教育ママとしても有名。この本は息子のコメントも入っていて面白いです。
 
 

 
 

内容としては至極まっとうというか、アグネス・チャンという教育学の博士で人格者で経済力もある人が、持てる知識と体力と全てのリソースを注いで教育をしたことが分かりました。全てフォローするのは体力的にも精神的にも経済的にも簡単ではありませんが、考え方はとても参考にはなります。家族構成的にも香港と日本の国際結婚でうちに近いので、アイデンティティのくだりは面白かったです。

 

もう一冊「スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法」という本も出てますが、タイトルは違えど内容はほぼ同じなので、2冊読む必要はありません。個人的に息子のコメントがある分こっちのほうがオススメです。

昔読んだ本を10年ぶりに読み返してみた

大学生のときに古本市かなんかで10円で買って読んだ本。なぜか思い出してKindleで読み返してみました。一言でいうと、強烈です。若いときに読んだので、かなり刺激を受けたのを覚えています。

 

自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)
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今少しだけ大人になってから読むと、子育てにも役立つ内容が含まれてると思いました。「出る釘は打たれる」のくだりで出てくるトンデモ先生たちの話とかは、さすがに今はこんなのないだろうとも思いましたが、学校の先生の不祥事がたまにニュースになるのを見るとそうとも言い切れないのかなぁと。

 

娘に岡本太郎のように生きてほしいとは思いませんが、自由な発想を抑えつけるようなことはしたくないし、そういう環境を出来る限り用意してあげたいとは思いました。