このところ日本では参院選があったり、香港では逃亡犯条例のデモや揉め事があったり、政治絡みの話題が多いです。香港で暮らす日本人としては日本、香港どちらの政治にも思うところはあるし、どちらの国・地域も出来る限り暮らしやすい場所であってほしいと願う気持ちはあります。
日本に関して言うと、香港の人たちが切実に要求している民主主義体制があり、投票することで意思を表明出来るのは良いことであるのは間違いない。ただ、投票出来ればそれで社会がよくなるわけではなく、世の中には民主主義体制があっても社会的にうまくいっていない国なんて山ほどあるし、その逆もしかりです。政治体制というのはあくまでシステムであり、そこには常にそれを使う人がいて、常に変化していく環境があります。システムを人や環境に合わせてタイムリーに最適な形に変えられればベストなんでしょうが、そう簡単に変更出来ないのが民主主義というシステムの難しいところです。今社会経済的に比較的うまくいっている国や体制というのは、例えばシンガポールみたいにシステム自体が新しかったり、システムを比較的簡単に変えられたりする国なのかなと思っています。
いち小市民の立場として、自分のいるシステムが気に食わないとしたら、取れる対策は2つ。デモに参加したり投票したりして社会がよくなるのを期待するのが1つ。そして、どのシステムの1部になるか選択することがもう1つ。自分が生まれた国ではないシステムの1部になるということはつまり他の国に移住したり、永住権を取るということ。そしてそれを可能にするのは、その国の人と結婚する以外には、基本的にはその国に「来てほしい」と思われることです。シンガポール含む色んな国でスキル、お金(給料や資産)、年齢、教育水準といった項目が、移住者を受け入れる基準として使われています。わたしは日本を離れてから投票してないですが、どちらも同時に出来ることなので、システムが気に食わない人は両方やってみたらいいんじゃないかと思います。