中国で転職活動してみた結果

中国の採用プラットフォームに登録したあと、自分の経験に合いそうで興味もあるデジタル関連の求人もたくさんあったので市場調査のためにもちょいちょい応募してみたり、ヘッドハンターから連絡が来たりしていました。

で、いくつか面接の誘いもあったので試しに話してみたりもしたのですが、その中で一人の採用担当者にこんな質問をされました。

「中国人と働く上で何か問題になったことある?」

この質問をされた時、少しハッとしました。自分の頭の中ではもう香港と中国に10年以上もいるし妻も中国人だし、今の部下も全員中国人。言語能力的にも文化的な対応度的にも問題はないと思ってました。

ただ今の会社で一応管理職のポジションを得られたのはコンサルタントとして入って叩き上げで昇進して、中国での業務も問題なく出来ると仕事で証明していったからこそ得られたものであって、中国の採用担当側から見ると自分はあくまで外国人。特に自分の今の給与レンジだと基本ある程度の規模の会社の専門職か管理職になってきて、外国人を採るのは不安があるんだと、よく考えれば当たり前なことに気付かされました。以前から外資企業の深センの求人にはちょくちょく応募していたものの、全く返事すら来ない状態だったのは、おそらく同じ理由からだったんだとも。

同じような能力と経験の候補者が2人いて1人が中国人で1人が外国人なら、企業は迷わず中国人を採るはずだし、自分が採用担当でもそうします。もちろんそれを吹きとばすぐらいの圧倒的な価値があるなら別ですが、残念ながら自分にそこまでのモノはなく、企業は取る必要のないリスクは取りません。

そう考えると今の職場を離れて転職するとしたら残りは日系企業の現地法人か日本語が必要な職種ということになりますが、これらは総じて給料が安いので娘の学費を払って家族を養っていくのが難しい。つまり「深センで今と同じレベルの待遇を長く得続けるのはかなりハードルが高い」ということに気づかされました。かつて会社にしがみつきたくない、海外でもバリバリ仕事の出来る人間になりたいと思って日本から出てきて、10年やってある程度の自信が芽生えてきたところで正直壁にぶつかった思いです。

そして、だとしたら自分にとってこのまま中国に居続けるのはリスクです。まだあと30年働くとしたら、中国でずっと働き続けられるかは相当に怪しい。日本で35才を超えると転職が難しくなるというかつての神話は既に崩れているという話はありますが、転職において年齢というのは依然として大きな要素で、40代や50代で転職しないといけなくなるよりは30代の方が選択肢は広がります。

急な話ですが、こういう状況にいると理解した今、日本に帰国することを真剣に検討しないといけないなと思っています。今の日本なら自分の海外での経験を評価してくれる会社は必ずあると思っているし、少なくとも今直面している必要のないハンデを背負ったような状態にはならないはず。来年4月は娘も小学校に上がる年齢になるし、親も高齢だし、もしかしたら良いタイミングなのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください