プロテストと香港の行末と深セン

日曜日のデモは近所のビクトリア・パークで行われたので、我が家は万が一に備えて家から一歩も出ずに過ごしました。窓から見える道には昼すぎから夜までひっきりなしに人が往来していて、後から170万人という数字を見て驚きました。今回は警察との衝突や暴力沙汰もなく平和裏に終わったということで、ひとまず良かったです。

一方でSCMPとWeChatで流れてきた「北京中央政府が香港の隣の深センをモデル都市として開発するプランを提示した」というニュースは今後の展開の方向性や可能性を示唆しています。当然のことながら共産党の指導のもとでという前提ですが、政治体制や法制度も含めた改革も許すということで、これは既に一部貿易を自由化したりして始まってはいますが、中国政府が深センをモデル都市として香港とは趣の異なる特区としてもっと踏み込んだ1国2制度を始めるとなれば、香港の地位は大きく揺らぎます。深センに外資企業を誘致するということで、将来的には香港から深センへの企業の移転ということも起こり得るかもしれません。

Beijing unveils detailed reform plan to make Shenzhen model city for China and the world | South China Morning Post

今回のデモで香港市民が求めている一定度の政治的自由というものを仮に認めたとして、その対価として経済的な地位を深センに奪われて景気が悪くなって経済が停滞するという結果を招いたときに、お金に敏感で現実主義な香港人はそれを許容できるのか。わたしは個人的には香港の大半の人たちは何よりも現実とマネーに重きを置くビジネスマン気質の人たちだと思っているので、中央政府のやり方は香港人の痛いところを突いているんじゃないかと思います。

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