最後のタイムシート

コンサル企業やSaaSサービスを売ってるようなほとんどの会社にはタイムシートと呼ばれるものがあり、コンサルタントやプロジェクトマネージャー等プロジェクトに関わる全員が毎週どのプロジェクトに何時間費やしたかを記録します。コンサルやカスタマーサクセスと言った機能はビジネスモデルが根本的に「人の時間を売る」事なので、実際それぞれのプロジェクトに各人がどれだけ時間を使ったかが直接的にそのプロジェクトの損益に影響します。

 

英語で検索すると山ほどコンサルタントが効率よく性格に時間を記録するためのツールやノウハウが出てきます。How Do Consultants Track Their Time

 

このタイムシートに初めて触れたのは香港時代の前職で米SaaS企業のカスタマーサクセスチームの一員として働いた時で、それ以来現職に転職後も含めて7年間毎週毎週自分の仕事の時間は全てタイムシートに記録してきました。なんとも面倒くさいシステムなんですがビジネスモデル的に必要なので仕方がない部分であり、同時にタイムシートがコンサルをやる上で大きな抑止力になります。

例えばコンサルタントは20稼働日で終わると言って売ったプロジェクトに30日使ったら損が出てマネージャーに怒られるので効率的にタスクをこなそうとするし、その損益を管理するのも今の自分の仕事の一部だったりします。お客さんに要求されて、かつ面白そうな事なら(そういう事はあまりないですが)個人的な思いとしてはプロジェクトの範囲に含まれてない事でもやってみたいと思うかもしれませんが、それはビジネス上許されない行為。

こういう理屈は頭では分かっているものの、時々行動がタイムシートに支配されている事にやるせなさを感じることもあります。長く同じ仕事をしているとプロジェクト範囲の外の事をやってみたいという思いも芽生えますが、それはコンサルという立場にいる以上こっそり残業や休日出勤でもしてタイムシートに乗らない時間を作らない限り不可能です。

今自分は現職の最後の数週間のタイムシートを埋めていますが、次の転職先は事業会社なので、これが終わったら7年ぶりにタイムシートを毎週記入しなくてよい仕事につきます。日系企業はジョブ型の採用が定着してないためJob Descriptionがなく、各人の細かい業務範囲が決まっていないというのはよく言われている事ですが、今はそれを逆手に取って興味のある事に首をつっこんで新しく色んな事が出来るかもしれないというポジティブな気持ちでいます。ちなみに昔の記事を見返していたら、2019年頭に転職するならという話の中でクライアント側本社に行ってみたいと書いていて気づいたら本当にそうなっていました。

さようならタイムシート。もう今後あなたとは会いたくありません。

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