日本で退職代行サービスが流行る理由

転職の理由という記事で書いた友人の話の続き。転職活動の結果めでたく外資企業から待遇の良いオファーを受けて退職を決意した友人が満を持して上司に退職の旨を伝えたところ、部長やら役員やらが出てきて引き止められたとのこと。有能な人材を引き止めようとするのはまぁいいとして、その引き止め方がまた日本企業らしくて驚きました。

「外資は厳しい」とか「別業界に行って通用するわけない」とか不安を煽る言葉を浴びせられたそうで、いくら引き止めたいと言っても、その言い方では反発を招くだけだと思います。勤務地や待遇についても何かしらオファーすると言っているそうですが、会社にとって重要な人材でずっといてほしいと思うのなら、その前の段階でプライベートの事情を汲んで柔軟な対応をすべきところをお役所的な邪険な対応をした上で、辞めるといったらコロッと態度を変えるというのは会社としてどうなのかと思います。

それにこういう不透明な意思決定をする土壌があると、欲しい条件は政治的な手段で手に入れようという話になってくるし、仮にこれで交渉して良い待遇を勝ち取って会社に残ったとしても、日本の公平至上主義的な文化では「あいつだけズルい」とかいう話になって肩身が狭くなるのがオチでしょう。この一連の話を聞いて、だから日本では退職代行業者なんていうのが流行るんだなと実感しました。

ちなみにわたしは今まで外資日本法人と日系香港法人で2回退職してますが、どちらも上司と1時間ほど会議室で話しただけでスッキリと辞めさせてもらい、2回目に至っては社長に「そろそろ旅立つ時だと思ってた」的なことまで言われて、頑張れと背中を押されたぐらいでした。外資では待遇を交渉したいなら交渉するだけ。人が入れ替わるのは当たり前なので、辞める意思を固めた人をいちいちそんなに頑張って引き止めたりはしません。やはり自分は外資の水が合うみたいです。

転職の理由

学生時代からの友人の転職の話。新卒で東証一部上場の日系企業に入ってから今年の4月で10年プレイヤーとなった彼ですが、ついに転職を決意して、英語も堪能なのでいくつか外資企業で面接を受けて良い感触を得ているそうです。今回ソフトウェア関係の会社やサービスを手掛ける部署を受けているということで、ちょっと話をしました。転職活動自体はポジティブな話で良かったんですが、そもそもなぜ転職を決意するに至ったかというところで、聞いた話がちょっとショッキングでした。

日系企業らしく会社主導の転勤はよくあることで、彼は入社して以来、東京から地方、地方から東京、そしてこの春にまた東京から地方と3回目の転勤があったところでした。実はその転勤の前に家族の事情で東京に残りたいと会社に訴えたんですが、会社は即座に却下。その瞬間に10年勤めた会社への忠誠心は砕け散ったそうで、まぁ無理もないなと思いましたし、会社は家族の事情を面倒見てくれるわけではないので、それなら転職というのは普通だと思います。

うちの会社でも最近わたしの前上司だった人が同じような事情で香港からイギリスに異動になりました。もちろん会社に利益をもたらす引き止めたい人材であるというのは前提ですが、そういう人材はちょっとぐらい特別扱いしてでも融通を利かすという決断が出来る企業でなければ、これだけ転職が容易な時代に有能な人材は集められないと思います。多くの規模の大きい日系企業ではきっと誰もそういう決断が出来ないので、転職して外に出ていける人は遅かれ早かれ出ていってしまうと思います。

次に転職するとしたら

ここ最近LinkedInのダイレクトメールで転職の紹介が多いです。香港だけでなくシンガポールや日本のもあったり、業種も同業者、テクノロジー製品を作ってる会社、クライアント側と色々あって、見ていてなかなか面白いです。ただ、昇進させてもらったばっかりだし、今年は10人しかいないオフィスで4人異動と退職でいなくなって代わりに5人雇うとことになり、入社1年半にして最古株の1人になってしまったので今は転職は考えていません。あと2年ほどで永久居民権も取れそうなので、少なくともそこまでは今の会社で頑張ろうかなと思っています。

そのあとは分かりませんが、今の会社も5年以上いる人はほぼ偉い人かエンジニア系ばかりで、自分のような顧客対応のコンサルタントやプロジェクトマネージャーは大体その前に転職していく、会社の中でも比較的入れ替わりが早いポジションです。わたしにも数年後にはそのときが来ると思いますが、おそらく今のキャリアの流れを汲んだら選択肢としては今来ている求人と同じで同業他社か、関連領域だけど別のテクノロジー製品作ってる会社か、クライアント側に行くか。

同業他社はあんまり興味ないのでなしとして、クライアント側で働くのも面白いかもしれませんが、今の顧客はほとんど大企業で、去年から9ヶ月もの間クライアントの大手金融機関に半分常駐してた経験も踏まえて、それがうまく想像出来ない自分もいます。あとここ4−5年で気づいたことは、やはり根本的なところで新しい技術に関わるのはワクワクするし、風通しの良い雰囲気とかルールはゆるいけど仕事はやる感じとか、若いテクノロジーの会社に比較的多い文化が自分に合うのかなと思っています。今のところ次に転職するとしたら若くて伸びてるテクノロジーの会社とかかなと想像してるので、そういう会社についてはなるべくアンテナを張っておこうと思います。

チャレンジングな日々

最近採用した2人が入社してきて、代わりに2週前に1人、そして今週はわたしの上司が退職。上司は香港系イギリス人(いわゆるBBC)で、同じ会社のUKオフィスに移動になるので完全にいなくなるわけではないですが、けっこう頼りになる上司だったので、いなくなるのは寂しいです。担当顧客が増えると同時に新しい同僚にトレーニングもしないといけなかったり、バタバタしてます。そしてそんな時に限って新案件が転がり込んできたり。。。こういうカオスな状態はキツいんですが、意外と一方で楽しかったりもするので、同じような毎日だと飽きてダラーっとしてしまうかなり飽きっぽい性格な自分は、なんだかんだ言ってチャレンジングな環境が好きなんだと思います。

日本の終身雇用が終わった件

経団連会長が終身雇用の終わりと雇用システムの変化に言及したことが、ちょっとしたニュースになっています。実質的にはもう終わっていたんだと思いますが、経団連会長という立場にある人が公に発言したことには意味があります。これから本格的に日本の労働市場は雇用の流動性を高める方向に向かっていくのでしょう。

経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”

ちなみにわたしが10年前に新卒でシューカツしてた時は終身雇用が続くかどうかというよりも、シューカツに必要と言われる自己分析の結果(?)として「自分は飽きっぽいから何十年も同じ会社にいることが前提の雇用は無理」ということで、いわゆる日系大企業はほぼ対象外にしてました。結果として米企業の日本法人に入社したあとは、同僚たちの大半は「外資企業の日本法人市場」という狭いながらも流動性ある労働市場で、日本で働いてる人の中では頻繁に転職して人が入れ替わるという環境でした。

今は香港の労働市場で何とか自分の立ち位置を築きつつある感じなので、正直日本の終身雇用が終わっても自分には特に影響はありません。あるとしたら将来的に日本に戻ることがあるとしたら、流動的な市場の方が戻りやすいということぐらいでしょうか。とは言っても雇用システムの変化には法制度も絡んで相当時間がかかるので、影響があるのはむしろわたしの娘の世代かもしれません。

初めての採用活動

今年から初めての部下が出来て、同時に採用にも関わり始めました。香港含め海外支社は人数が少なく人事担当はいないため、自分たちでCVのスクリーニングから面接の調整など全部やっています。何でも大体やったことない事をやるのは楽しいです。

で、このあいだ初めて採用候補者を面接してきました。感じたことは、当たり前ですがCVを見ても分からない事の方が多くて、やっぱり実際に会って話すことで得られる情報量は多いなと。CVを読んで頭の中で想像したイメージと会って話した後のイメージが全然違うということもあって面白いなと思いました。

キャリア相談の話

今の会社に転職して1年と3ヶ月。そのうちの直近9ヶ月は半分ぐらい客先に常駐していて同時に2つの仕事をこなしてるような状態でしたが、その契約が来週で終わります。2足のわらじ状態は頭の切り替えとか物理的にやりたいときにやりたい事が出来ないことが多くてちょっとキツかったので嬉しいです。

キツいこともありますが、一つの会社で働きながらいくつもの会社で働いたような経験が得られるので、キャリアの面では悪くはない側面もあります。わたしは今転職2回で3社目ですが、前職でも最後の2-3年は同じような感じでほぼ他の会社の人間として働いてたので、感覚的にはもう5社以上で働いたような気がしてます。こういう経験は先のキャリアを考える上ではプラスだと思います。

例えば今行っている客先は外資の大手金融機関ですが「やっぱり自分は金融とか大企業とか向いてないな」と再確認出来たり。最近義理の弟からちょっとした進学と将来の相談を受けたこともあって、結局は自分に何が向いていて何がやりたいか考えるしかないんですが、そんなこと言ったって自分のいつもの部屋でいくら頭をひねったって、ほとんどの人は大したことは思いつかないと思うのです。少なくともわたしは若い時そうでした。

でも、3社ぐらい違う会社の色んな職種で働いてみたら、少なくともだんだん何が向いてないかぐらいは分かってきます。というわけで、いつもこういう相談には大したアドバイス出来ないのですが、若者にはバイトでもインターンでも出来るならどんどんやった方がいいよと言うようにしてます。

昇進しました

昇進の話がついに確定しました。予想以上に時間がかかりましたが、めでたく今年から昇進することになり、パッケージの詳細の説明も受けました。ちょうど幼稚園が始まって家計が圧迫され始めたので、とても助かりました。

仕事の直接的な変化としては同僚2人がわたしにレポートすることになりました。人生初の部下はフランス人と香港人になりそうです。今までコンサルタントとして自分の成果物に集中していればよかったのが、チームの成果物に責任を持つことに。さらにビジネス拡大についてもインセンティブがあるので、仕事の幅、裁量が広がります。

ちなみに昇進するのはわたしだけでなく、もう1人同僚が同時に昇進。ビジネス拡大してるので、ポストを増やして昇進させて、さらに人を雇ってという好循環が起きています。さらにレポートラインの変わらない昇格も去年だけで2人。去年から1年ちょっとでコンサルタントの半分以上が昇進または昇格してるという状況です。誰かが競争に勝って誰かが負けるというわけでなく、全体的に上がっているので雰囲気も良くなるだろうし、こういうのを見るとやっぱり成長してる会社で働くのはいいなと思うと同時に成長の部分により直接的に関わるので頑張らないといけないなと気を引き締めてます。

きっと、むかしむかし日本経済が急成長して日本企業が世界的に強かったときは日本中こんな感じだったんだろうし、今の中国もそうです。転職を決断した2017年末の時点では前職とパッケージも大差なかったし迷った部分もあったのですが、結果的に良い方向に転がり、自分は実はけっこう運がいいと思っています。

海外大博士の日本での転職活動の話

ケンブリッジ大学博士の日本での就職活動の顛末。とても面白いです。博士じゃなくても、海外での生活、仕事歴が長いと同じような問題は多かれ少なかれ出てくると思います。わたしも日本に戻って働くとして、やりたいかどうかは別として一番スムーズに行くのはほぼ間違いなく外資企業の日本法人。旧態然とした日系企業のやり方しか出来ない会社には応募すらしないというか出来ません。

海外と日本の就職活動の歴然とした差を実感。海外大博士から見た就職活動 – はじめのすすめ

学び獣をさがせ

ラーニング・アニマルという言葉は初めて聞きましたが、この間参加した採用フェアでも「どういう人材を求めているか」と聞かれたときには、基本的なスキルや経験に加えて「新しいことを学び続ける姿勢がある人」というのを繰り返していました。

転職で強い グーグル型「ラーニング・アニマル」とは|NIKKEI STYLE

というのもウェブやデジタルの業界は新しい技術や製品が出てくるペースが速く、会社も買収したりされたり提携したりするので、否が応でも新しいことを吸収し続ける必要があります。未来のことまで全部知っている人は存在しないので「今までの経験」はある程度あればよしとして、むしろ「学び続けられること」が重要な資質になります。若い人を採用するときは特に。

ついでに2歳児の親として子育てもしている身としては「自分の頭で考えて、学び続けてかつそれを楽しむことが出来る事」というのが教育が最終的に目指すところなのかなぁとも思います。