何かに呼ばれるように

週末を深センで過ごして仕事と引越しのため香港に戻ってきました。早いものでもう引越しも佳境となり、そのタイミングでプロテストの激化でここ最近は過去にない交通機関の死亡具合です。先週から今週にかけては学校も休校になったり大学が標的になったりと、特に子供がいる家族にとっては安心して暮らせる状況ではありません。そして、香港が大きく変わっていくこのタイミングで自分たち家族はこの街から出て行きます。

もちろん引越しや仕事など次の生活リズムが整うまでまだこれからやることが沢山あって大変ですが、いまこの時期に妻と娘が深センで家族に支えられて安心して生活できていることは不幸中の幸いというべきでしょう。外の環境と私生活が同時に大きく動くことになったのは偶然の一致なんですが全く偶然とは思えないほどのタイミングで、きっと神様の思し召しとか運命とかそういう類のようなものなんじゃないかとを感じざるを得ません。不思議なもので多分人生には時々こういう、何かに呼ばれるように物事が動いていくことがあるのだと思います。

断捨離中

引越し業者を使わずに香港から深センへの引越し準備を進めています。IKEAで買ってきたデカい段ボール箱にモノを詰めて、台車に乗せて郵便局に引っ張って行って郵送。これをコツコツと繰り返しています。送るものを選別する基準は厳しめにしたつもりでしたが、想像していた以上の箱の数になりそうです。そして同時に持って行かないモノは売ったり捨てたり、この狭い家のどこにこんなにモノがあったのかと思うくらい異常な量のゴミが出ました。ときどき要らないものは捨てるようにしていても、香港に6年半も住んでいたし、娘を新生児から2歳半まで育てた家なのもあり、相当モノが蓄積してました。大量消費社会にどっぷり浸かっていたなぁと思い知らされ、これからモノを買うときは気をつけようと一瞬思いましたが、深センは全体的に香港よりスペースが広いし、中国はEコマースの国なので香港ではほとんどなかったポチる誘惑に負けそうな気が既にしています。

深センの家賃相場

いま深セン移住準備中で、ひとまず妻の実家にお世話になるのでまだ気は早いんですが、状況が落ち着き次第また家を借りるので深センの家賃相場を調べてました。キレイに改装して家具なども一通り揃えた家を賃貸する「自如」というサービスが流行ってると聞いて見てみたら、福田など都心から地下鉄で2-30分ほどの距離で5000人民元(7万円強)からぐらいの家賃で50平米ぐらいの3人家族が十分住める物件が借りられます。似たような立地・広さの家は香港では軽く4倍はするので、香港がどれだけ狂っているのか改めて実感しました。家賃が比較的低いのに連動して飲食費など全体的な生活コストも低いです。深センが香港より高いのは輸入品とか、関税とか税金が多くかかってるモノぐらいじゃないかと思います。

香港から深センへ安く引っ越したい

香港の家の撤退準備をしています。家にある家具とか大きいものは輸送費が高くなるのであきらめて、服とか日用品を深センに送ろうとしてます。まずはクロスボーダーの引越し会社に見積を頼んだところ、ちょっと送るモノの価値に対してコストが高すぎて割に合わなかったのでお断り。次はSF Expressで国際輸送出来ないか聞いたところ、送るモノは税関のため全部インボイスが必要なので引っ越し目的では使えないということで断念。SFはあくまでビジネス向けという感じみたいです。

で、藁にもすがる思いで香港の郵便局に電話したら、今度はインボイスとか必要なくて自分で申告書に何が入ってるか書けばOKという話だったので、試しに段ボール1箱に娘の本やおもちゃを詰めて送ってみました。普通の国際郵便と同じフォームにモノの内容と値段を記入したら送れました。値段も20キロで400香港ドル以下と、SFの見積ツールより3割ほど安かったです。荷物を郵便局に持っていかないといけないのがネックですが、あと3週間ぐらいあるのでコツコツと送っていけば低コストで引っ越し完了できそうです。こういうのは短時間でガッツリやるより時間かけてコツコツやる方が好きなので、この方法は割と良いかもしれません。

さようなら香港

国慶節の連休から深センに行っていましたが、ここ3週間はまさに怒涛の日々でした。家族の健康上の問題が発覚して病院に入院となり、妻の実家からのサポートを受けつつ今はなんとか生活できていますが、香港での今まで通りの生活を続けるのは難しいという判断となりました。

というわけで急転直下で香港から深センに移住することにしました。仕事はとりあえずわたしが行ったり来たりすることで職場から了承を得たので、来月末には香港の家は引き払って妻の実家にひとまずお世話になり、落ち着いたところでまた家を探そうと思っています。

6年半も同じ町に住んだのは実家の埼玉の次に長い記録で、永住権までもう少しという状態で終わらざるを得ないのは無念ではありますが、人生というのは思ったようにはいかないものです。残念な一方で、香港の経済的・政治的プレッシャーからひとまず解放されるので、少しほっとしている自分もいます。というわけで、さようなら香港。

無許可デモと今後の身の振り方

週末は無許可デモと警察の衝突で、土曜日の夜には近所で警察が威嚇のために発砲したりとか、もう大変なことになっているようです。日曜日は必要最低限しか外に出ず、家で丸一日娘と遊んだり、家事をこなしたりしてました。政府は強気のようですが、どういう形で収束していくのか分かりません。デモをする香港人の気持ちはまぁ分からないでもないですが、中国というスーパーパワーに対して香港市民に何が出来るかという点に関してはわたしは全く悲観的です。

一つ思ったのは、これ自分が香港の若者の親だったら気が気じゃないなと。大学生ぐらいの血気盛んな息子とかいたら、もう毎週末が恐ろしいと思います。逆に自分が香港人の若者だったら、たぶん冷めた感じでコツコツ勉強でもしてると思います。自分が大学生の時は政治経済学部にいたこともあって、政治や経済の仕組みについて講義を聞き、関連する本やニュースを読んだりしていて、その時からずっと失望しかしていないというか、ニュースを読むたびに「全然ダメじゃんか」と思った記憶しかありません。

そういうことの積み重ねがあって、日本を離れて早8年になるわけですが、その後も日本の状況は変わらないどころか悪化してます。さらに移住してきた香港も雲行きが怪しい。自分と家族の身は自分で守るしかないという確信をさらに深めています。あと1年ちょっとで永住権は取れるので、そのあとの身の振り方は考えないとなと思います。英語圏か、逆に深センとか中国本土にもう一回住んでみてもいいかなとか妄想しています。

次の移住先

香港がヤバイので次に移住するならどこか、ふんわりと考えてました。日本は仕事さえ見つければある意味いつでも帰れますが、少子高齢化・人口減少で経済はしぼんでいくばかりだし、財政も政治もヤバイし、地震も怖い。ついでに言うと、というかコレが一番大きいかもしれませんが、あの独特のビジネス文化できる自信があまりない。

移民を受け入れて、政治的に安定している国、英語圏となると、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージランド。あと英語と普通話圏のシンガポール。アメリカは比較的移住するの大変だし治安悪いしトランプが嫌いなのでなし。イギリスは昔住んでいたこともあり親近感はありますがブレクジットで他の選択肢に比べて移民受け入れに積極的ではない。となると残りはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドそしてシンガポール。

これらの国にはとても似た「技能移民」の制度があります。年齢、教育水準、英語能力、就業経験などの基準で審査があり、つまりその国にとって有益、来て欲しいと思われれば移住できます。年齢に関しては30代のうちのほうが有利というか、45歳を過ぎるとオーストラリアなんかはそもそも申請できなくなります。各国が必要としているスキルに一致する分野で10年ぐらい仕事の経験がある働き盛りの人たちが主な対象で、香港がこういう状況で技能移民を考える人も多いだろういうことで、こうやって人材は流出していくんだなと思います。香港とシンガポールは中華系だし都市国家で似てる部分が多いので、移住するなら一番自然ではあるんですが、香港と似た雰囲気で代わり映えがしないのと、天候が一年中暑いのがイヤです。

ちなみにカナダとオーストラリアの職業リストはこちら。自分の場合おそらくIT絡みのビジネスアナリストとかコンサルタントならもしかしたら引っかかる可能性はある気がします。どちらの国も知り合いはほぼいないしカナダに至っては行ったことすらないですが、試しに申請してみようかなという気が出てきました。

Federal Skilled Worker Program Eligible Occupations – Canada Immigration and Visa Information

Australia Skilled Occupation List – Australian Visa Bureau

システムが気に食わないなら

このところ日本では参院選があったり、香港では逃亡犯条例のデモや揉め事があったり、政治絡みの話題が多いです。香港で暮らす日本人としては日本、香港どちらの政治にも思うところはあるし、どちらの国・地域も出来る限り暮らしやすい場所であってほしいと願う気持ちはあります。

日本に関して言うと、香港の人たちが切実に要求している民主主義体制があり、投票することで意思を表明出来るのは良いことであるのは間違いない。ただ、投票出来ればそれで社会がよくなるわけではなく、世の中には民主主義体制があっても社会的にうまくいっていない国なんて山ほどあるし、その逆もしかりです。政治体制というのはあくまでシステムであり、そこには常にそれを使う人がいて、常に変化していく環境があります。システムを人や環境に合わせてタイムリーに最適な形に変えられればベストなんでしょうが、そう簡単に変更出来ないのが民主主義というシステムの難しいところです。今社会経済的に比較的うまくいっている国や体制というのは、例えばシンガポールみたいにシステム自体が新しかったり、システムを比較的簡単に変えられたりする国なのかなと思っています。

いち小市民の立場として、自分のいるシステムが気に食わないとしたら、取れる対策は2つ。デモに参加したり投票したりして社会がよくなるのを期待するのが1つ。そして、どのシステムの1部になるか選択することがもう1つ。自分が生まれた国ではないシステムの1部になるということはつまり他の国に移住したり、永住権を取るということ。そしてそれを可能にするのは、その国の人と結婚する以外には、基本的にはその国に「来てほしい」と思われることです。シンガポール含む色んな国でスキル、お金(給料や資産)、年齢、教育水準といった項目が、移住者を受け入れる基準として使われています。わたしは日本を離れてから投票してないですが、どちらも同時に出来ることなので、システムが気に食わない人は両方やってみたらいいんじゃないかと思います。

あと28年

昨日で香港返還からちょうど22年。毎年この日はデモの日になってますが、今年は「逃亡犯条例」の件もあって例年より参加者が多かったそうです。1国2制度が揺らいでいるのは間違いないと思いますが、そもそもこの体制が一応維持できる約束になっているのは残り28年。その後はなにしろ相手は中国政府なので、鶴の一声で何が起きてもおかしくないと言っても過言ではありません。28年後にはもしかしたら中国大陸の各都市が世界最強になっていて、香港なんか別にどうでもいいとなっているかもしれないし、またはその逆もあるかもしれない。つまりどうなるか全然わかりません。

今もう始まっているのかもしれませんが、そのタイミングに向けて移住を計画したり準備をする香港人が増えるのだろうなと思います。政治体制の変化によってなにか不便を被るという場合には、我が家にとっては日本は1つの逃げ道というか選択肢となるわけですが、それがない香港人は香港返還のときに起こったのと同じように英語圏の国とか台湾の永住権を取ろうと考える人も多いと思います。

こういう不透明な状況なので、おそらくアジアに移住を考える外国人も香港よりはシンガポールという流れになるんじゃないかと思いますが、わたしと妻はあと2年で永久居民になるし、今のところ快適なのでとりあえず香港に居座ります。ちなみに28年後にはわたしは生きていれば62歳になりますが、そんなに先のことは不確定要素が多すぎてもう考えてもしょうがないので考えません。

香港のデモと選択肢

週末の3連休はまた深センの妻の実家に行ってました。なので話題になっている過去最大級のデモは見逃しましたが、会社の同僚たちも参加したぐらい関心は高いです。一方で香港人の同僚はデモの成果については「影響はないだろう」と雨傘革命のときと同様の悲観的な見方をしていました。

香港の一国二制度が揺らぐことは我が家にとっても影響があるわけですが、同時にうちは日本人と中国人の夫婦で今のところは永住権もない外国人でもあるという微妙な立場でもあります。わたし個人のレベルで出来ることは、その時々で最良と思われる選択を取って生き残れるように仕事の面ではスキルや経験値を上げておくことと、何かあればいつでも動けるような心理面と財政面の用意をしておくことぐらいかと思っています。

ついでに言うと日本は日本で年金制度が揺らいでいたり、終身雇用が終わったりと最近は先行きの不透明感とか不安感がバリバリ出ているので、もう地球単位で生き残れる道を選べるように頑張ろうと思います。自分のことしか考えてないとか愛国心がないとか言う人もいるかも知れませんが、自分と家族を守るという責任を果たすことが最優先です。