イラストをNFTアートとしてOpenSeaに上げてみた話を書きましたが、今描いている「明日使えない中国語」シリーズ以外に良いことを思いつきました。
それは家族や友人の似顔絵を描いて、それをNFTアートとして贈ることです。
NFTアートはおカネが集まっている事で注目を浴びてますが、所有権が生まれると関連する経済活動が活発化してバブルを起こしてきた歴史の繰り返し。かつて土地や水だって無料だったのが誰かに所有されることで有料になり、それを批判していたのが人新世の資本論だったわけですが、NFTという新しい所有権が生まれたことで、先行者利益を得ようとカネが集まっています。
一方でNFTが全ての人にとって必要なものになるという感覚はなく、特にNFTアートに関しては当然アートなので実物アートと同じように主に所有欲求を満たす事、好きなアーティストへのパトロン的行動、転売価値以外の価値はないように見えます。今NFTアートを買っている人の動機は下記4つぐらいの分類に集約されるんじゃないかと思います。
- アートを所有・コレクションしたいという潜在的な欲求を持っていた
- アーティストを支援したいという潜在的な欲求を持っていた
- 仮想通貨持ってるけど使い道ないから転売価値目当てで買ってみた
- 何となく盛り上がってるから買ってみた(ついでに儲かればいいな)
1はコレクションという流れでレアなプロ野球カードをGETしたら嬉しいという所有欲や、皆にシェアしてたくさんイイネもらいたいといった承認欲求と関わっているかもしれません。自分は小学校のときゲームボーイでポケモンを集めて以来モノを集めたことないのでなかなか理解しがたいところで、これがどこまで大衆的な強い欲求なのかというと少し疑問を感じます。
2は熱狂的ファンが推しに投票するためにCD買いまくるとか、好きなアーティストの作品を全部揃えてコレクションにするといった購買行動に似ていて、そういう人もいるにはいるのだと思います。一方でコピー版とかYouTubeに上がった著作権違反の動画を見る人も(私を含めて)いるわけで、2は強くあって欲しいものの本当にそんなに強いものかと疑っている自分がいます。
なので、正直なところ今NFTを買ってる人のほとんどの人が3と4に当てはまるんじゃないかと思っています。NFTアートが盛り上がって仮想通貨で取引されることで、現状投機的な要素が強いとはいえ初めて仮想通貨が通貨として使われ始めましたが、自分も投機的に仮想通貨を昔買ったものの使い道はないので、ちょっとNFTアート買ってみて値段が上がったらラッキーぐらいの気持ちで買う人も多いのかもしれません。
で、最初の「家族や友人の似顔絵を描いて、それをNFTアートとして贈る」というアイディアはNFTは別に世界にアートを売り込んだり転売して利益を得るためだけに存在しているわけではないという事、もっとプライベートな存在意義があってもいいんじゃないかという今のトレンドに対するアンチテーゼのようなものです。
似顔絵第1号は仲良くしている妻の妹の旦那で、右側には名前を入れたバージョンをNFTつけて贈ろうと思います。
自分にとって大切な家族や友人の似顔絵を描いて、それに唯一無二のデジタルIDを割り当てて似顔絵の画像データと一緒に贈るって何だか少しだけ特別感、ロマンがあるような気がしないでしょうか。そのうちNFTつきの唯一無二の贈り物が普及する日が来るかもしれません。