ワクチン事情考察

このあいだ親戚とコロナウイルスのワクチンについて喋っていました。

2021年6月現在アメリカではワクチンの接種率が4割を超えてますが、新規感染者の数はピークからは大分落ち着いたもののまだ毎日1.5 – 2万人います。一方各州もう行動制限などは緩めていて、ほぼコロナ収束に近い雰囲気です。日本はというと最近大規模にワクチン接種が始まったばかりで接種率は10%ちょい、感染者数も減り始めましたがまだ毎日1000人以上という状態です。ただワクチン接種はおそらく今年中には完了するだろうし、感染者数の数字はアメリカなどと同様にワクチン接種が進むにつれ改善していくことがほぼ確実です。

一方の中国。現在8億回以上のワクチンが投与されていて日本よりよっぽど接種率は高く新規感染者数も少ないですが、この間広東省で新規感染者が10-20件ほで出たことを受けて大規模なPCR検査したり、コロナウイルス感染の再拡大に対する警戒は全く緩めていません。

新規感染者は多いのに警戒を解いているアメリカ、感染者少ないのに警戒を解かない中国の違いはどこから来ているのかというと、それはワクチンに対する信頼度の違いかと思います。中国産の不活性ワクチンの有効度は50%とも言われており、全国民が接種を終えてもまだ集団免疫を獲得するに至らない可能性もあります。一方アメリカと欧州のワクチンは90%程度の有効度があるという結果もあり、アメリカやヨーロッパ、そして日本の政府はこの信頼度の高さを背景に制限を緩める方向に進んでいくと思います。

中国製ワクチンは「効果小さい」

今後の展開としてG7でワクチンパスポートについて協議されたというニュースもあったように、欧米製の有効度の高いワクチンを打った国同士で往来が再開したり国境を跨いで移動しやすい環境になっていくと思いますが、問題はそこに中国が入れるのかどうか。個人的に困るシナリオとしては来年あたりに各国でワクチンが打ち終わって制限を緩めるなか中国が取り残されて、いつまで経っても制限を取り払えない状態になることです。

英国、G7首脳会議でワクチンパスポート構築を呼びかけへ

将来的により有効度が高いワクチンが確立されたとしても中国は人口が多いだけに普及するまで時間がかかるし、中国はとにかくコロナへの警戒心が半端ではないので、ちょっと心配です。中国のいわゆる「ゼロコロナ」を目指す対策は初期は完璧に機能しましたが、徹底的に抑え込んだだけに制限を緩めるとなるとどう緩めていいのか分からないという状況になりつつある気がしています。

どのワクチン打つか問題

深センではコロナのワクチンが外国人含め誰でも打てるようになってしばらく経ち、身の回りでも接種したという話をよく聞くようになりましたが、なんと深センは広東省でワクチン接種率のトップランナーで既に半分以上の人が接種したそうです。

深センの新型コロナワクチン接種数は1,000万回突破ー接種率は53.5%

すでに700万人以上の住民が接種済みで1日に40万本以上打つキャパがあるということで、あと1ヶ月もあればほぼ大多数に行き渡る見込みかと思います。都市によっては自分含めワクチン接種に腰が重い人を動かそうと「ワクチン打ったら粗品プレゼント」みたいなことをしてる所もあるそうで、深センもそのうち始めるかもしれません。

わたしは決して粗品が欲しいわけじゃないんですが、ワクチンの種類と国によって渡航の制限が変わってくる可能性が高く、かつ複数のワクチンを打つことは非推奨。ということで、各国(というか日本と中国)の政策がハッキリしてからにしたいと思っていて、中国では中国製ワクチン一択ですが、自分と妻の場合はけっこう大変ですが香港に行けば別のワクチンも打てるという裏技もあるので、まだ決めかねているところ。

我が家の場合面倒くさいのは、以前書いた通りおそらく中国は中国製ワクチンを打った外国人にビザ承認や渡航の融通を効かせる可能性が高く、一方で日本側は欧米製ワクチンしか承認してないので、おそらく日本側の外国人(妻)に対する渡航の融通は承認された欧米製ワクチンを打った人、となる可能性が高い気がしていること。となると、わたしは中国で承認されてる中国製ワクチン、妻は日本で承認されてる欧米製ワクチンを打つのがベストということになるかもしれません。コロナウイルスによって渡航の難易度が上がり、家族で持っているパスポートが違うことによる面倒くささが増幅されています。

中国ワクチン打つとビザ優遇?

中国でもコロナのワクチン接種が大規模に始まっていて、すでに広東省では外国人でも打てるようになっています。打つと出入国に何かメリットあるのかなーと調べていたら、こんなのを発見。

自2021年3月15日起,中国驻日本大使馆将对已接种中国生产的新冠肺炎疫苗,并持有疫苗接种证明的签证申请人员提供以下便利:

一、赴华从事各领域必要复工复产活动的人员及其家属,可按照疫情前要求准备材料并递交申请。

对接种中国生产的新冠肺炎疫苗人员赴华提供有关便利的通知

翻訳すると、こんな感じ。

2021年3月15日から、日本の中国大使館は中国で製造されたコロナウイルスのワクチン接種を受けワクチン接種証明書を保持しているビザ申請者に以下の利便を提供します。

1.さまざまな分野で仕事を再開し、生産を再開するために必要な活動に従事するために中国に行く人とその家族は、コロナ流行前の要件に従って資料を準備し、申請書を提出することができます。

というのも中国は今も外国人の入国には厳しい制限をかけていて、一度中国を出ると戻るのにまた新しいビザが必要で、そのビザの発給要件が非常に厳しい状況だからです。コレを見ると中国ワクチンを打って証明書を持っているとビザ申請が以前と同じように出来るようになると。

ただ、そもそもコロナ以前は一度中国に入って有効な居留許可を持っていれば再入国のときに新しいビザは必要なかったんですが、実際新しいビザは要るのか、要るならどのビザなのか不明です。これを読んでも分からないので一応日本の中国大使館にメールを送りましたが、返事は来ません。

以前ビザのサポートをしてくれた仲介業者に聞いても、この政策が出てからワクチンを打って一度中国から出て戻ってきた外国人は知らないということで、政策も日本やその他の地域のコロナの状況によって流動的なので今は中国から出ることはオススメしないと言われました。

まあそれはその通りですが、ワクチン打ったらこういうメリットがあるという流れは出来つつあるという点と日本も大規模なワクチン接種が始まるということで状況が安定してくれば、一時帰国を考えることも出来るのかなと思います。隔離措置はしばらく変わりそうにないので、越境するにはまた隔離されることは覚悟しないといけなさそうですが。

香港が大規模ワクチンプログラム開始

香港がついに大規模なワクチンプログラムを開始しました。今まで医療関係者や高齢者などに限られていた対象者が30歳以上に大幅に下げられて550万人が対象となるそうです。香港の人口の8割近い数なので、ちゃんとワクチンの効果があれば香港は集団免疫獲得ということになります。

Coronavirus: Hong Kong expands vaccines to 5.5 million people, while experts find no evidence directly linking Sinovac jabs to seven deaths | South China Morning Post

ドバイは人口が少なくて大部分の人口にワクチンを打ち終わり、海外から飛行機で行って陰性証明があれば着いてから隔離がいらない数少ない都市の一つになってますが、国際都市である香港もそういう地域の1つになっていきたいのは間違いないと思います。大部分の人に打ち終わればまずは中国との往来は簡単になる見込みで、6月頃には広東省と香港間の往来は隔離がなくなるとの噂も出ています。

わたしも家族も一応香港居民なので予約して行けば打てるわけですが、今のところ隔離措置も変化がないのでしばらく様子見ですが、隔離がなくなればワクチン打ちに香港行っても良いかなと思ってます。ただ、今各国間で作ろうとしてるワクチンパスポートでは打ったワクチンの種類によって扱いが変わるはずなので、出来ることならシノバックなど中国製よりも早く国際的に認知されるであろうファイザーとか欧米企業のワクチンを打ちたいところです。

ちなみにワクチン接種の予約はここから出来るみたいで、香港にいる同僚の中にも打つ人が出始めています。

COVID-19 Vaccination Programme – Booking System

中国での結婚式とオリンピック

明日から有給を取って2泊3日で惠州の海辺のホテルで週末を過ごしてきます。土曜日は妹の結婚式があり、子供4人含む大家族で一緒に過ごすので楽しみです。家族全員揃ってホテルで休暇というのは初めて。今日は11月末だというのに日中半袖でいけるぐらいの気温だったので、週末も同じような天気なら下手したら海で泳ぐことすら出来るかもしません。

ヨーロッパも日本もまたコロナの新規感染者が増えて大変なことになってますが、震源地だった中国国内は今やどこ吹く風で、こうやって結婚式で大人数が集まることも出来ます。これも厳しい越境制限と抜け道ゼロの隔離政策の賜物と思うと、深センに渡ったときに14日間隔離されたのも悪くなかったような気がしてきます。ヨーロッパでも日本でも個人の自由を尊重して強制隔離が出来ないことで感染が広がって、結果的により大きな集団の自由も阻害されて経済に悪影響を及ぼしてます。欧米や日本が尊重する個人の自由ってこういう非常事態においては一体誰の得になるんだろうかと、中国寄りな思考が働いています。

仮に来年のオリンピックの開催国が中国だったらきっと厳重な検査と隔離措置を取ってやれてしまう気がしますが、日本国内すら感染を抑えきれていない状態で海外から人を呼び込むのはかなり無謀です。来年の夏までにワクチンが承認されて行き渡って、日本に来る人全員ワクチン打ってから来るという状態にならない限り難しいと思っています。